理事長所信

2019年度 第37代理事長 
大橋 健男 

はじめに

 2010年冬、地元経営者より青年会議所という団体に一度顔を出してほしいと依頼があり、さくら青年会議所の門をくぐりました。当時は、世代交代として27歳で会社の代表となり約半年が過ぎようとしており、肩書が社長とはいえ大きなビジョンも描けていない状況で、「何か動き出さなければいけない」というだけの思いで入会を決めました。さくら青年会議所は、大河原町、柴田町、村田町、川崎町の4町を活動エリアとしておりますが、私自身、地域の魅力は青年会議所を通して知ることとなりました。同時に、自身の能力を遥かに凌ぐ優れた青年経済人が同志として各地に存在し、それぞれの地域のため自らの時間を活用し運動を展開していることにも感銘を受け、同志や先輩諸兄との交流から様々な学びを得ながら、一人の青年経済人として成長することができたと自負しております。
 社会をより良くしたいという想いから1983年に全国712番目の青年会議所として大河原青年会議所が誕生しました。創立10周年を迎えた1993年には、大河原町、柴田町、村田町を活動エリアとし名称をさくら青年会議所と改め、以来「3町合併によるさくら市構想」など地域社会へ向けた主体的な運動が展開されてきました。このように先輩諸氏が連綿と受け継いできた精神を継承し、私たちも誰かが社会を良くしてくれるのではなく、自らが主体者となり社会がより良くなるための運動を実践することで、誰もが社会を良くしたいと思える未来の実現をしなければならないと考えております。
 現代の社会における最大の課題は、未来を担う若年世代の人口の減少であります。若年世代の人口を増やすことはすぐに実現できることではありませんが、私たちが中心となり若年世代の意識を変え、主体的に明るい未来を想像できる運動を展開していくことは実現可能であります。社会の若年世代に活力が漲ることが明るい未来の実現への第一歩と考えて運動を行ってまいります。

青年経済人としての自律と成長

 さくら青年会議所の目的は、「地域社会と国家の健全な発展を目指し、会員相互の信頼のもと、資質の向上と啓発に努めるとともに国際的理解を深め世界の平和と繁栄に寄与すること」とあります。しかし、世界の平和と繁栄に寄与することはそう簡単ではありません。私たちが今やらなければならないことは、いち早く地域社会への貢献ができるよう、会員自身が満たされ、家族や仲間との関係が満たされ、仕事が満たされる状況へ成長することではないでしょうか。私たちは、少なからず自らの企業、あるいは上司や部下の多大な理解の下、JC活動に取り組んでおります。JC活動の為に企業経営を蔑ろにするのではなく、JC活動の裏で私たちを支えてくれている存在があることを忘れず、JC活動から企業成長に必要な学びを持ち帰る必要があります。自身の核となる「人生の根底における価値観」を見いだせる青年経済人として成長し、企業と地域社会の発展に貢献できるリーダーとしての資質を身につけなければなりません。

必要とされることを創造し実現する

 近年、まちづくり事業を思い返すと地域社会へ大きなインパクトを与える事業が少なくなっております。事業を行う上で、広く地域社会へ我々の想いが届かなければ何の意味もありません。そのような事業の展開が果たして地域社会にとって本当に必要とされているのでしょうか。先輩諸氏が35年に亘り地域社会に大きなインパクトを与えてきた事業から、創造し続けることの重要性を学ぶとともに、地域社会にとって必要な事業なのであれば、あらゆる手段を活用し広く発信をしていかなければなりません。
 地域社会における重要な課題として、第一に若年世代の主体者意識の醸成があります。これからの未来を担う若年世代は未来に対する不安感や失望感により「どうせ社会は変わらないだろう」と諦めている声も、多く聞こえております。私たちの運動で、若年世代の一人ひとりが主体者意識を醸成することにより、自らの行動が社会に影響を与えることができることを実感していただける事業を創造してまいります。
 第二に行政、教育機関、地域団体との連携があります。大きな事を成すためには多くのパートナーと協力体制を築いていくことが不可欠です。行政、教育機関、地域団体においても、運動をするための人員不足などが喫緊の課題であります。それ故に、組織の枠を超え社会を良くしたいという共通の想いのあるパートナーと手を携え、共に意見を出し合いながら新たな事業を創造する必要があります。
 また、固定観念に捉われるのではなく、目的達成力のある手法を熟慮したうえで、最大限の成果をあげることを前提として行動していかなくてはなりません。

会員の拡大

 ピーク時には、約60名弱の会員が在籍したさくら青年会議所も2019年度は17名の会員でスタートいたします。会員の拡大は組織の存続に関わる重要な課題ではありますが、私たちは新しい会員の模範となる存在として自信を持てるでしょうか。会員の中からは、成長ができたという声もいただいている反面、批判や厳しいお言葉をいただくことも少なくありません。会員の拡大にあたっては受け皿となる私たちの自律意識を変えていかなくてはなりません。ただ目的なく入会をお願いするのではなく、入会により得られるメリットを明確に伝え、自らの意志によって入会を希望される優れた組織へと成長しなくてはなりません。優れた組織とは会員其々が自信に満ち溢れ確固たる信念を持ち運動しているものと考えております。2019年度は、自らの自律する姿を示すためにも、年間を通して300社(個人)へ訪問し、青年会議所の目的、運動から得られる成長の機会を伝搬し年間15名の会員拡大を実現します。私たちが自律することが会員の成長に繋がりその過程を社会へ示していくことが、新入会員の大きな刺激となり相互の成長、しいては組織の成長に繋がるものです。

結びに

 創立から35年を過ぎ、時代も20世紀から21世紀へ移り変わりました。ICT技術等の進歩によりコミュニケーション方法や考え方が変わりつつある時代において、5年後、10年後もこの地域が大きな時代の流れに取り残されずに輝き、次世代に引き継いでいくためには、地域を牽引するリーダーとなるべくさくら青年会議所も21世紀型の組織へ生まれ変わらなければなりません。35年間に亘り、先輩諸氏より引き継がれてきた運動から多くの学びを得るとともに、会員の自律と成長から地域社会の発展を成し得ることができる組織となるために革新を起こして参りましょう。

  1. 青年経済人として自律、成長ができる機会の提供
  2. 会員の拡大
  3. 行政、教育機関、地域団体との連携
  4. 地域に必要とされる事業の創造と実現